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【03.03.09】議席めざして「住民こそ主人公」の地方政治を−きしの知子さん<県議選 一宮・葉栗郡区(定数5)>

3月9日「愛知民報」

現場に足運び、議会で取りあげ「命・福祉守る県政に」


人情味あふれ、知性が光る
“福祉のきしの”といわれます。モットーは「命を守る県政に」。


 きしのさんはこの4年間、女性、子ども、障害者、お年寄りを守るために県内を駆け回りました。万博・空港を推進し、県民には痛みばかり押しつける「行革」を声高に叫ぶ自民、公明、民主の「オール与党」が相手です。

ねばりにねばりかけこみ寺存続

 「行革」で廃止のやり玉にあがった県施設「成願荘」。夫などからの暴力を受ける女性の“かけこみ寺”です。きしのさんは、何度も現地に足を運び、議会でも繰り返し取り上げました。

 その結果、“風前のともしび”だった「成願荘」を存続させることができました。ねばりにねばったきしのさんの働きが、男女共同参画条例の制定とともに大きな成果を生みました。

 2000年、「オール与党」県政が障害者や乳幼児など福祉医療の一部負担制度を持ち込みました。きしのさんは、県庁前に座り込んで抗議する障害者らを励まし続けました。5カ月間、議会内外のたたかいでいったん持ち込んだ一部負担を無料に押し戻しました。昨年度は、乳幼児医療無料を4歳児未満児まで拡大させました。

 昨年10月、県の児童自立支援施設「愛知学園」で宿直の男性職員が生徒たちに殺害されました。きしのさんは、その日のうちに学園にかけつけました。子どもたちを温かく見守ることのできる職員の増員を県に迫り、夜勤体制の充実につなげました。

 一宮市議、木曽川町議との連携も力になっています。一宮市今伊勢町に計画された医療廃棄物処理場建設を県議会、一宮市議会、木曽川町議会で機敏に取り上げ計画をストップさせました。

ふたたび県議会に議席をと決意

 名鉄が大和・萩原地域で路線バスを廃止したのは3年前。さらに名鉄は千秋地域でも廃止してしまいました。地域住民といっしょに署名を集め、市巡回バス「iバス」(100円)の延伸を市に要望。きしのさんは県議会でも地域バスへの補助を求めました。

 きしのさんは、築52年になるJR尾張一宮駅の耐震化、木造住宅の補強、老朽化した水道管の整備を急げと訴えます。阪神・淡路大震災を教訓にした日本共産党の追及で、木造住宅の耐震化に県と市町村を合わせ、新年度予算案に60万円を盛り込みましたが、対象は200戸です。

 「県内には旧建築基準の木造住宅が約76万戸、水道管の整備には500〜600億円かかります。万博・空港を中止すれば1133億円の税金が節約できます。地震対策の仕事を地元業者に回せば仕事起こしにもなります。県民の命を守る仕事を最優先することが政治の役割です」

 しかし2期目の神田県政が真っ先に打ち出したのは福祉バスの廃止でした。障害者や家族が研修やリクリエーションに利用してきました。代わりのバスはありません。きしのさんは、存続を求める障害者団体の県との話し合いに立ち会いました。

 「一方で、トヨタに月づき126万円のリース料を払い、燃料電池車を公用車として導入しようとしている。弱い立場の人たちへのこんな仕打ちは許せない」

 投票日まで1カ月。「ふたたび県議会に議席を」との決意をにじませます。

歴史の研究から歴史動かす運動へ

 名古屋市西区庄内通の金物屋に長女として生まれました。子どものころは人見知りで引っ込み思案。大学入学までは政治に無関心でした。

 日本史を専攻。江戸時代の百姓一揆を研究しました。大学院在学中から足かけ8年、『豊田市史』近世史編の編さんに携わりました。そこで発見したのが天保7年(1836年)の加茂一揆でした。

 「天保の大飢饉」で農民数千人が加わった一揆は、世直しのうねりをつくりだし、幕府を倒す巨大なたたかいを組織しました。この研究を通して「民衆の力で歴史を動かすことができる」と確信しました。

 歴史の研究から歴史をつくる運動に飛び込んだのは93年。旧愛知3区から衆院選に立候補。96年には愛知10区から立ち、長良川河口ぜき建設中止や消費税引き上げ反対を訴えました。

 前回県議選できしのさんは、前前回から得票を3倍に伸ばして初当選しました。

心ひとつにしてみんなで世直し

 一宮市・葉栗郡区は民主党が女性候補を擁立するなど5議席を有力8人で争う激戦区。医療費3割負担など国民に負担増を押しつける自民、公明に加え、民主党も「開発公社」路線をすすむ神田県政の与党です。

 「一杼一筬(ひとひひとおさ)心をこめて主(ぬし)に着せたや尾張縞(おわりじま)」。尾張地方の機織り歌には、一つひとつの糸を丹精こめて織り上げ、愛する人に着せてあげたいという心根が込められています。

 人情と知性――。きしのさんはこう呼びかけます。

 「障害のある人も女性も大事にされる世の中をつくることが私の政治にたいする原点です。この歌のように、あきらめずに、根気よくみんなで心を一つにして、ごいっしょにに世直しを」

●略 歴●
 1949年生まれ。県立明和高校卒。名古屋大学文学部大学院修士課程修了。99年、初当選。現在、党県議団長、党県委員。趣味は散歩。家族は夫と1女1男。一宮市千秋町加納馬場在住。

 

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