HOME > 資料集 > 活動と主張(バックナンバー) >

【04.9.19】設楽ダム建設の豊川水系 水需要見直しへ
前愛知県議 林のぶとし

9月19日「愛知民報」

 愛知県は国土交通省の要請をうけ、設楽ダムの建設が計画されている豊川水系の水需要予測の見直し作業に入っています。10日、日本共産党愛知県委員会県政対策委員会の問い合わせにたいし県の土地水資源課が明らかにしました。

 国は水資源開発促進法にもとづいて木曽川水系と豊川水系の水資源開発基本計画(フルプラン)をつくり、現在、揖斐川の徳山ダムと豊川の設楽ダムの建設を推進しています。

 国土交通省は今年6月に木曽川水系のフルプランの全面変更がおこない、続いて豊川水系の見直し作業に入っています。

豊川水系水需要の予測と実績

  豊川水系フルプラン2000年度需要予測 (百万立方メートル/年) 愛知2010計画2010年度需要予測(百万立方メートル/年) 2002年度実績(百万立方メートル/年)
水道用水
113(参考数値)
112
68
工業用水
43
17
農業用水
224(参考数値)
205
187

360
272

 1999年4月に閣議決定された現行の豊川水系フルプランの2000年度時点での水需要予測にたいし、実績は02年度でも水道用水は予測の60%、農業用水は同じく83%にとどまっています。

 国土交通省が設楽町内に建設予定の設楽ダムは、総貯水量1億トンのコンクリートダム。建設費は約2千億円(97年度単価)。洪水調節、利水などの多目的ダムで、東三河地域に水道用水毎秒0.8立方メートル、農業用水同0.3立方メートルを供給するとしています。完成すれば総貯水量8千万トンの矢作ダムをしのぎ、県内最大規模のダムとなります。

 現在、学識経験者が参加した環境影響評価技術検討委員会が設置されアセスメントの検討がおこなわれていますが、市民から自然破壊、過大な水需要予測、洪水調節の非合理性などの問題点が指摘されています。

 県の担当者は「木曽川水系の場合と遜色のない需要推計をおこなう」と述べています。国土交通省は木曽川水系フルプラン全面変更では水需要予測を下方修正し、徳山ダムの利水容量を削減しましたが、その分を治水容量などに振り替え、現行計画規模のままダム建設を継続しています。

 水需要の予測と実績のへだたりが顕在化するもとで、設楽ダム問題は、新たな局面を迎えています。

 

▲ このページの先頭にもどる